シングルマザーの勇気と情熱

「母として」から、「自分らしく」へ。2019年、気球に乗り換え、さあ出発!

検査

2018年宇宙の旅

PET検査の当日は、すっきりと目覚めた。「爽快」というよりは、凛と張りつめていて、どちらかというとOFFに訪れた高原の朝というより、スポーツの試合の朝のような爽快さ――ここまで行ってきた食事制限や運動制限も影響していると思うが、一種独特な空気感の…

完熟ドミノ返し

翌日はまた、〈なごみ・やすらぎ〉とはほど遠い日となった。会社を「休職」している状態のため、生活継続のために傷病手当の申請といった雑多な事務手続きをくぐらねばならず、それらの書類を受けとるため、昼下がりのカフェで勤務先の事務担当者と会ったの…

ディアブロな日々

つらい検査が重なった日は、いつもの3倍以上の時間をかけてゆっくりゆっくり帰宅した。そのとき感動したのは、「やっぱり人間ってすごい!」ということ。あれほどつらい検査をたてつづけにこなしても、その日のうちに1人で長い階段を上り下りし(それがた…

column【通院治療に必要なもの】

体に異変を感じてから10カ月――検査つづきでまだ本格治療には至っていないが、日本での通院治療についてここまでで感じたこと、必要だったものについてまとめておきたい。 1.服装 サンフランシスコで妊娠・出産のほか、怪我や手術等で多々病院通いをした経…

患者の一番長い日

つぎの検査日は本当に、人生でもっとも来てほしくない日の1つだった。腰の引けるメニューが、計画表の上に目白押しにならんでいる。まるで出場したくない種目ばかりの運動会のプログラムをながめているような気分。中でも一番回避したかったのは「骨髄穿刺…

人生ファブリック

朝、テラスが出かけてまもなく、宅配便のお兄さんがやってきた。扉のすきまから、腕に抱えられているほどよく運びやすい大きさの箱を見ただけで、さゆりには差出人の察しがついた――先ごろ、国立新美術館で〈氣〉のレクチャ―をしてくれたF先輩である。 F先輩…

黄金の輝き

院内周遊ツアーの水先案内人となったナースとの、血液内科から検査室までの道中の会話は主に、「最終診断を聞きにいく日の同伴者について」だった。A医師に「年末の診察日には、必ず付き添いの方を連れてきてください」といわれていたのである。 「父は高齢…

中継ぎのエース

血液内科デビューの日――その日は恐ろしさや不安よりも、圧倒的に期待感、ワクワク感といったものの方が勝っていた。病が発覚した以上、すこしでも早く治療を開始してもらいたい。かつ、その間に転院という、一瞬はしごを外されたような期間が到来したため、…

米国式告知法

人生において歓迎しないことにはあまり慣れたくないが、今回の突発的騒動においてそれなりに冷静でいられたのは、やはり先の乳がん騒動における2つの「告知」のおかげだと思う。最初は日本——そして2度目は米国での体験である。 日本における人生初の告知は…

最初の告知

その日——どうやってS病院へたどり着いたかが思い出せない。午前午後とも通常通り仕事をしていたはずなのだが……いったん落ち着いたように思えて、やはりどこか普通でない状態だったのかもしれない。 この日、唯一心の支えとなっていたのは、この人生の一大イ…

秋雨の朝

2018年、季節は早くも秋—— 胃カメラ検査当日は、ほそい糸のような雨がのこる朝だった。娘テラスの朝食を整え、身支度もそこそこにあわてて飛び出したものの、雨に気づいていったん戻り、さらに長い傘を折りたたみ傘にもちかえて……と慌ただしい出発。 前日は…

夏の彩雲

2018年、史上まれにみる酷暑が続いた夏の終わり、仕事とママ業からしばし解放され、エネルギー充電の地、軽井沢へ。 久しぶりに気のおけない仲間と浅間山に抱かれた光あふれるフェアウェイでゴルフに興じていると、「見て~」という仲間のさけび声が——。 指…