シングルマザーの勇気と情熱

「母として」から、「自分らしく」へ。2019年、気球に乗り換え、さあ出発!

子育て

column【ソーシャル・サポーターを育む】

先日、忙しいなか駆けつけてきて「アジカン呼吸法」を教えてくれたゆめのさんが、「病気になったとき、助けてくれる〈ソーシャル・サポーター〉を、日頃から育んでおくことが大事」と力説していた。 がん患者さんの心のケアをする精神科医のもとでヨガ講座を…

人生ゲームー令和版-

時は進み、令和の夜明けを目前にひかえた週末―― 保育園時代のママ友の家で、受験をおえた慰労会が開催された。出席者は、おもてなし役のAK夫妻と息子のY君、さゆりとテラス、それに、同じくシングルマザーのTM嬢と息子T君の計3家族7名。LINEでは親同士、子…

第三の条件

血液内科デビューとおなじ週、テラスの中学では受験前さいごの三者面談が行われた。入学当時からの恒例どおり、平日夕方の枠外〈特別枠〉を申請し予約していたため、その時間をめがけて塾からもどったテラスと実家で合流し、濃紺の夕闇にしずむ学校へ。 校舎…

黄金の輝き

院内周遊ツアーの水先案内人となったナースとの、血液内科から検査室までの道中の会話は主に、「最終診断を聞きにいく日の同伴者について」だった。A医師に「年末の診察日には、必ず付き添いの方を連れてきてください」といわれていたのである。 「父は高齢…

ポッシブルなミッション

朝、「行ってきまーす」と大荷物をしょって出ていったテラスが数分後にもどってくるなり、「たいへん、体育着がない」という。「えーどこだろう。干した記憶がないから、今まわしている洗濯機の中かな」とこたえると、「そんな~。じゃ、あとで学校のくつ箱…

あおいくま〈New Version〉

長らく「お会いしたいですね」とたがいに綴り合っていた人が、東京近郊の地で開かれる研修会の帰りにかけつけてくれることになった。――以前、広報を担当していた医療機関で直属の上司だったK氏である。 ふだんなかなか会う機会がなくても、心が弱ってくると…

NK細胞増殖作戦

先日、弟のバースデーに「お誕生日おめでとう」とメールを送ったら、「ありがとう。40+〇歳になりました」と返事がかえってきて、思わず飲みかけのコーヒーにむせてしまった。私が大学に入ったとき、まだ小学生だったのに……いくつになっても(尊敬もする…

晩秋の春風

テラスに話をした翌日、思いがけず、1本の電話がかかってきた。S病院秘書時代、医局にいたQ医師からである。 「ちょっと、話を聞いたんだけど……」と心配そうにきり出すQ医師。とりあえず、病の騒動の経緯を説明すると、「流れ的にはうまいくつなげているよ…

難を転じる

さて、難題の1つ、家族への告知である。 さしずめ知らせることを検討しなければならなかったのは、娘テラス、父、妹……このうち父と妹には検査を受けた段階でそれとなく「前振り」をしておき、高齢だが現役医療者の父には、診断結果が出た時点でショートメー…

遠近両用メガネ

このあたりで、わが相棒、テラスを紹介したい。 「どんな子供か」と聞かれたら、「丈夫で手のかからない、人生のよき相棒」と答えるだろう。英語で分娩・出産のことを "delivery" というが、一目見たとき、その黒目の奥の光を見て、「神さま、コオノトリさん…

シングルマザーを生きる

時はさかのぼり、2003年3月——。 サンフランシスコで妊娠8週目に入ったさゆりのもとに、突然、日本の友人L嬢から「シングルママになります」と告白メールが届いた。 当時の日記には、 〈「同時期におなじ(妊娠という)経験ができそうで嬉しい」と返信したが…