シングルマザーの勇気と情熱

「母として」から、「自分らしく」へ。2019年、気球に乗り換え、さあ出発!

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

第三の条件

血液内科デビューとおなじ週、テラスの中学では受験前さいごの三者面談が行われた。入学当時からの恒例どおり、平日夕方の枠外〈特別枠〉を申請し予約していたため、その時間をめがけて塾からもどったテラスと実家で合流し、濃紺の夕闇にしずむ学校へ。 校舎…

黄金の輝き

院内周遊ツアーの水先案内人となったナースとの、血液内科から検査室までの道中の会話は主に、「最終診断を聞きにいく日の同伴者について」だった。A医師に「年末の診察日には、必ず付き添いの方を連れてきてください」といわれていたのである。 「父は高齢…

中継ぎのエース

血液内科デビューの日――その日は恐ろしさや不安よりも、圧倒的に期待感、ワクワク感といったものの方が勝っていた。病が発覚した以上、すこしでも早く治療を開始してもらいたい。かつ、その間に転院という、一瞬はしごを外されたような期間が到来したため、…

蝶よりバラへ

今回の2つの災難をはじめて伝えた友人から〈教えてくれてありがとう……そして競泳の池江璃花子選手のニュースにも驚いている…〉と返信がきて、何が起こったのかとテレビをつけたら、う~む、なんだか今回書き綴っている件と似たような病を公表されたとのこと…

ポッシブルなミッション

朝、「行ってきまーす」と大荷物をしょって出ていったテラスが数分後にもどってくるなり、「たいへん、体育着がない」という。「えーどこだろう。干した記憶がないから、今まわしている洗濯機の中かな」とこたえると、「そんな~。じゃ、あとで学校のくつ箱…

ゆっくり急ごう

仕事を休業して2週目――さまざまなことが一ぺんに起こり、ある種のショック状態だった1週目とは違い、気分は上向き傾向。おそらく、病の原因となった1つ目の災難(パワハラ環境)から離脱したことが、心身の状態に大きく影響しているのだろう。 といっても…

あおいくま〈New Version〉

長らく「お会いしたいですね」とたがいに綴り合っていた人が、東京近郊の地で開かれる研修会の帰りにかけつけてくれることになった。――以前、広報を担当していた医療機関で直属の上司だったK氏である。 ふだんなかなか会う機会がなくても、心が弱ってくると…

通じ合う心

叔母の作品が日展の書部門に入選した。招待券を送ってくれたので、これは見にいかねばと、商社時代のF先輩を誘い、六本木の国立新美術館へ。 このツアー、直前になって道連れがもう1人ふえた。さゆりはその前後、恋人と別れたばかりで「時々心がざわつく」…

病気の国籍

帰国以来、半年に1度の割合で定期検診のため「参拝」している乳腺外科医のP医師は「一見のらりくらりとした切れ者」(まさに名優、緒形拳演じる大石内蔵助!)といった感じの人物だが、瞳の奥にともる光がほんとうにやさしくて、診察室にとびこんだだけで胸…