シングルマザーの勇気と情熱

「母として」から、「自分らしく」へ。2019年、気球に乗り換え、さあ出発!

蝶よりバラへ

今回の2つの災難をはじめて伝えた友人から〈教えてくれてありがとう……そして競泳の池江璃花子選手のニュースにも驚いている…〉と返信がきて、何が起こったのかとテレビをつけたら、う~む、なんだか今回書き綴っている件と似たような病を公表されたとのこと……

その後も大阪の知人から〈池江璃花子さんの件でわかったわ。神さまは嫉妬深いねん、だからさゆりさんにも意地悪する……〉といったコメントが寄せられたり、友人から「大丈夫? テレビが騒がしいから、ちょっと心配になって……」とLINE が届いたり――さゆりの周囲の人たちはやはり、2つの件を関連づけ、倍増させた怒りややるせなさを蒸気として全身から噴出させているようだ。……

自身はさておき、「こんな若いお嬢さんに」と体の芯から怒りがこみあげ、「これは流行り病なの?」と誰かにあたってみたくもなったが、あたる相手がいないので、縫物をするミシンを倍速で踏んでみたり、掃除機をふだんよりやや荒っぽくかけたりして、怒りややるせなさを放出する……

公表直後のツイートで、璃花子さんは〈私は、神様は乗り越えられない試練は与えない、自分に乗り越えられない壁はないと思っています〉と綴られていたが、がんと5年間闘い他界したわが母の闘病記にも〈乗り越えられない試練はない〉と書かれていた。あるとき、困難に直面した大切なママ友の1人にこの言葉を贈ると、彼女は「一生涯忘れられない言葉だ」といって涙を流していた。

2つ目の〈自分に乗り越えられない壁はない〉というのは、一流アスリートならではの境地と思える言葉で、天からの声として大切に胸にしまい、今後の指標とさせていただこうと思う。そのお返しに、璃花子さんをはじめ、あらゆる病と闘う方々へ、〈あおいくま〉からの4つ目の贈り物――先般、K氏が届けてくれたエッセイの付箋の1つが、この詩のことが書かれた〈蝶と薔薇〉という項につけられていた――である以下の詩を贈りたい(*「乳がん」を「病気」とおきかえてご鑑賞ください)。

 

             転 身 
        ー蝶よりバラへー
 
            Dr.チャールズ・E・コックス


乳がんの診断を受けたばかりの患者さんは

まるで蝶のようだ

逆風のなかで 翻弄する

並はずれた美しさを身にまとった蝶――

その世にも恐ろしい体験の渦中で 

進むべき道が見あたらないときも

未知のゴールを目指し 蝶たちは突き進んでいく

その飛行は 滑らかで勇ましくもあるが

ときに早期の終焉にたどりつくこともある

 

だが その飛行を耐え抜き 生き延びたものたちは

種を守り抜く決意と義務によって変容する

その時点で 彼らはバラに生まれ変わる

威厳があって美しいが まだどこかはかなげで

蝶の時代に吸っていた 甘い花の蜜に満たされている

 

逆境によって産み出されたとげが 

生命維持のため 花に降り立つはかなげな蝶たちに

尽きることのない回復と庇護の源を与える

それは 私がこのうえなく尊敬する女性たちの

人生における華麗なる変容だ

 

いかにも それは転身である

絶望から希望へ――意義深い第2の生への変容において

ささやかだが 意味のある役割を演じることは

不屈の精神に対する日々の霊感であり

不変の誓約である

その局面へ入り込み

立ち去れない患者さんたちの悲しみを思うたび

私は 彼女らと共にがんと闘うこと 研究を繰り返し

勤勉に努力を重ねていくことを決意する

 

蝶やバラに囲まれて過ごすことは 喜びである

ときに混沌として 心痛むこともあるが

おおかたは美しい 価値のある時間である

人生は 誰の上にも悲しみや絶望をもらたす

 しかし 私は希望し続ける

われわれすべてが 人生のもう一方の産物である

美しさや希望ばかりを抱き続けることを

(日本語訳:Y.SAYA

 

この詩に関し、著者はエッセイのなかでこう述べている。

〈人生には困難や試練があるものです。その中にあるときは、まさに傷ついた羽で嵐の中を飛んでいるような、今にも飛行できなくなってしまいそうな、先が見えないときもあると思います。でも、その先にも希望があるのです。また、それを乗り越えたときに、それを乗り越えた人だけが得られる、美しい強さがあるのです。……〉

 

 *上記の詩は、小林麻央さんにも届いていました!

ameblo.jp

 

 

あなたらしく生きる

あなたらしく生きる