シングルマザーの勇気と情熱

「母として」から、「自分らしく」へ。2019年、気球に乗り換え、さあ出発!

天体ショーな1日

「彩雲」を見た日は、朝からさまざまなものが空に現れる、まことにスピリチュアルな日だった。名詞になんでも「な」をつけて気軽に形容詞に換えてしまうJC娘、テラスに言わせれば、「天体ショーな」1日である。

早朝、先陣をきって現れたのはSAMだった。SAMとは、20代半ばから30代初頭にかけて、数年間ともに暮らした魚である。SAMの話はまた別な機会にゆっくり語りたいが、瀕死の状態となったSAMをさゆりがまな板の上で心臓マッサージして蘇生した後は、人間の心がわかる魚に生まれ変わった。長良川の支流でいっしょに泳いだこともある、真の友―—まさに(マブナならぬ)マブダチである。

ふだん4時起きの生活をしているさゆりは、その日も辺りが明るくなるやいなやベッドを抜け出して辺りを散策していたが、明けの明星輝く空を見て他界した人々を思っていたら(金星はさゆりにとって、旅先で亡くなった大学時代の後輩のY嬢を表す)、散在していた雲がにわかに寄り集まり、ブルートレインの上から巨大な魚となって表れた。

さらにゴルフコースで彩雲を見た帰り道、高速道路上に現れたのは巨大な積乱雲(そのとき実際に撮った写真がこちら)……

そしてさいごにその「凄まじきもの」に寄り添うように現れ、あらゆるものをなだめ、照らしてくれたのは、テラスが「おばあちゃん(さゆりの母)が入ってる」と見るたび手を合わせている満月だった(写真左は積乱雲内の稲光)。

今にして思えば、その年の秋からの展開の兆しのような、まさに"beyond description" な壮大かつ荘厳なショーだった。